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私は、おかしい。あなたも、おかしい。 フランスの恐るべき巨匠が放つ、サイコ・サスペンスの傑作3本一緒公開 2026年2月13日(金)よりシネマリス、Morc阿佐ヶ谷ほか全国順次ロードショー

私は、おかしい。あなたも、おかしい。 フランスの恐るべき巨匠が放つ、サイコ・サスペンスの傑作3本一緒公開 2026年2月13日(金)よりシネマリス、Morc阿佐ヶ谷ほか全国順次ロードショー
2026年2月13日(金)よりシネマリス、Morc阿佐ヶ谷ほか全国順次ロードショー 2026年2月13日(金)よりシネマリス、Morc阿佐ヶ谷ほか全国順次ロードショー
Introduction
ヌーヴェル・ヴァーグの旗手として、サスペンスやミステリーの巨匠として、半世紀にわたってフランス映画界をけん引してきた映画監督、クロード・シャブロル。長編だけで54本の作品を遺したシャブロルとあって、我が国では未公開の隠れた傑作も多いが、人間存在への皮肉めいた眼差し、恐怖とユーモアの絶妙なバランス、モラルや常識をいとも簡単に飛び越えて描かれる、研ぎ澄まされた物語の数々は決して色あせることなく、先の見えない現在だからこそより一層輝く。2026年1月に東京日仏学院にて行われるレトロスペクティブ【クロード・シャブロル特集 女性形のサスペンス】に続き、その魅力をさらに深く堪能できる【クロード・シャブロル傑作選】が2月13日(金)より開催決定。上映される3本は長いキャリアの中でも黄金期と言って過言ではない、1960年代後半から70年に発表された、当時シャブロルの妻だったステファーヌ・オードラン主演によるサスペンスの極上作ばかり。しかも『不貞の女』『肉屋』は、特集上映を除き待望の日本初公開となる。2026年の幕開けにふさわしいシャブロルの官能的で濃密な映像世界にぜひ溺れてください。
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『女鹿』 Les Biches ©Les films La Boëtie
女鹿Les Biches
1968年 / フランス・イタリア / カラー / 99分
脚本:クロード・シャブロル、ポール・ジェゴフ 撮影:ジャン・ラビエ 音楽・ピエール・ジャンセン
出演:ステファーヌ・オードラン、ジャクリーヌ・ササール、ジャン=ルイ・トランティニャン
支配者、被支配者であり、分身のようでもある、女ふたりの濃厚かつミステリアスな関係を軸に、映画そのものが愛と憎しみをむき出しにした強烈な蠱惑をはなつ、シャブロルの“絶頂期”の傑作。ある日、セーヌ川に架かるポン・デ・ザールの路面に絵を描いている娘、ホワイを見そめたブルジョワの女、フレデリック。フレデリックの屋敷に住むことになったホワイは客として訪れたポールに惹かれるが、ポールはフレデリックとも関係を持ち…。複雑で曖昧な女たちのこころに満たされた官能的な作品。本作では既にシャブロル夫人だったステファーヌ・オードランが、前夫ジャン=ルイ・トランティニャンと共演を果たしている。
不貞の女 ©Les films La Boëtie
不貞の女La Femme infidèle
★日本初公開
1969年 / フランス・イタリア / カラー / 98分
脚本:クロード・シャブロル 撮影:ジャン・ラビエ 音楽・ピエール・ジャンセン
出演:ステファーヌ・オードラン、ミシェル・ブーケ、モーリス・ロネ
多くの批評家によって大絶賛され、シャブロルの最高作の一本と呼び声高いだけでなく、シャブロル自身にとっても最大の自信作。保険会社の重役シャルルは妻エレーヌと息子と共に幸せな毎日を送っているが、ある日、エレーヌが作家ペガラと浮気していることを突き止めてしまう。ペガラの家を訪れ、最初は平静を装うシャルルだったが、次第に怒りに駆られ…。アニエス・ヴァルダ『幸福』、ジャック・ドゥミ『シェルブールの雨傘』、そして今回上映される全3作の撮影を手がけるジャン・ラビエの洗練された映像美、名優たちの共演、繊細極まる心理描写と、あっと驚く暴力性を切り取った屈指の傑作スリラー。
肉屋 ©Les films La Boëtie
肉屋Le Boucher
★日本初公開
1970年 / フランス・イタリア / カラー / 93分
脚本:クロード・シャブロル 撮影:ジャン・ラビエ 音楽・ピエール・ジャンセン、ドミニク・ザルディ
出演:ステファーヌ・オードラン、ジャン・ヤンヌ、アントニオ・パッサリア
フランス南西部の村で小学校の教師を務めるエレーヌは、孤独を抱えた肉屋のポポールと結婚式で隣あい、急速に親しくなる。一方、村で次々と起こり始める残忍な殺人事件。ある日、生徒たちとピクニックに出かけたエレーヌは惨殺死体を発見するが、傍らに落ちていたライターはエレーヌがポポールにプレゼントしたものとそっくりだった…。のどかな片田舎での日常に出現する異様な事態──花束に似た肉、パンに滴る血──人を愛しきることができない女、そして果てしない闇を抱えた人間がしぼり出す、一瞬の限りない切実さ。奇妙な切なさに放り出されるクライマックスも秀逸な、これぞシャブロル流愛の犯罪劇。
※全作デジタルリマスター版での上映
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不敵な怪力のシネアスト 山田宏一(映画評論家)
ヌーヴェル・ヴァーグはクロード・シャブロルとともにはじまったのだという神話など今となっては生まれる前に消え去っていたようなものだから、あえて思い出そうとしたりすることもないくらいだ。どんな映画も臆することなく不敵な面構えで勢力的に撮りつづけてきた怪力のシネアストだ。
『女鹿』『不貞の女』『肉屋』はクロード・シャブロルの一九六〇年代から七〇年代にかけての“ブルジョワ・シリーズ”の代表的な三作である。当時シャブロル夫人で最も美しく官能的な女優だった、ステファーヌ・オードランがヒロインを演じる三部作と言ってもいいかもしれない。
クロード・シャブロルにとってブルジョワとは何か?──それは「資本主義社会の寄生虫」で、「嘘と美食と姦通と殺人にしか生き甲斐を見出せない」男と女である。金には困らないが、欲望と狂気は抑え切れないという厄介な存在だ。ブルジョワ出身のクロード・シャブロルがいわば近親憎悪をむきだしにして執拗に描きつづけたブルジョワジー破局の密かな黙示録的三部作とも言うべき作品群なのである。
舗道に鹿の絵を描いていた美少女(ジャクリーヌ・ササール)を誘惑したブルジョワ女が逆に身も心も男(ジャン=ルイ・トランティニャン)も奪われてしまう『女鹿』。自己の心の問題を嘘で表現しつつ、互いに助け合って危機を克服するブルジョワ夫婦を静かに描く『不貞の女』。夫(ミシェル・ブーケ)にとって、殺人はブルジョワ的鬱屈の爆発にすぎないのだ。肉切り包丁ならぬ飛び出しナイフで女たちを血祭りに上げる肉屋(ジャン・ヤンヌ)に愛された美貌の女教師は……と戦慄のシャブロル的サイコドラマは果てしなくつづくかのようである。
Introduction
クロード・シャブロル Claude Chabrol
1930年パリ出身。大学時代にシネクラブやシネマテークに入り浸り、フランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダール、エリック・ロメールらと知り合う。フリッツ・ラングとアルフレッド・ヒッチコックの熱狂的ファンとなり、50年代は「アール」誌、「カイエ・デュ・シネマ」誌に寄稿、20世紀フォックスの支社で宣伝も担当。ジャック・リヴェットの短編第一作『王手飛車取り』(56)に製作・脚本・出演で参加。1958年、長編第一作『美しきセルジュ』を監督。翌59年にはゴダール『勝手にしやがれ』に監修の名目で参加したほか、『二重の鍵』、『いとこ同志』を発表。後者でベルリン映画祭金熊賞を受賞し、一躍注目を浴びた。以後ほぼ毎年のように監督作を発表。他の主な作品に『気のいい女たち』(60)、『殺意』(66)、『主婦マリーがしたこと』(88)、『ボヴァリー夫人』(91)、『石の微笑』(04)、『引き裂かれた女』(07)など。2010年、パリにて死去。
クロード・シャブロル
COMMENTS敬称略、順不同
秦早穗子(映画評論家)
『女鹿』の女同士の関係と彼女たちの嫉妬。『不貞な女』における夫婦の在り方。『肉屋』の複雑な男と女の状況。
ヒチコック風のスリラー、その中でブルジョアー階級が持つ偽善性を暴く。
シャブロルの風刺が、彼流のスタイルとなっていく転換期の重要作品である。
以降、浮き沈みはあったにしても、それさえも、よしとするシャブロルの斜に構えたスタイルを、今こそ賞味する時が来た。
五所純子(作家・文筆家)
階級構造の歪み、その最前線にシャブロルは女たちを置いた。
だから女たちはいっそう冷ややかに強硬に不可解になっていった。
それは行為よりも態度としてあらわれる。
やがて革命的な兆候すら消し去っていくシャブロルの、その直前でいまだ冷笑や享楽や変身の可能性に女たちがくぐもって光った時期の三作品。
林瑞絵(在仏映画ジャーナリスト)
気高く、妖しく、美しく。優雅だが冷淡な翡色の瞳で、周囲の心をかき乱す。
シャブロルはそんな謎めく女性像をこしらえ、眼鏡の下でほくそ笑む。
妻で女優のステファーヌ・オードランは、夫の倒錯的な演出の悦びに、完璧にこたえる最高の共犯者だ。
本国フランスでは定番の傑作群。日本公開まで半世紀の時間が流れたが、作品の魅力は真空状態で封じ込められた。
そして今、解放された瞬間、甘く危険なサスペンスの芳香で、観る者の心もかき乱す。
真魚八重子(映画評論家)
殺人者たちの生態観察。抑制された演出はひっそりとサスペンスを忍ばせ、無表情な俳優によって感情は推測に託される。そして気がついた時には既に凶器が振り下ろされており、その瞬間だけの劇的なカッティングに目が眩む。ステファーヌ・オードランの透けそうな水色の瞳のように、シャブロルの映画は冷徹な魅力をまとっている。
クロード・シャブロル特集クロード・シャブロル特集
会期:2026 1/16(金)、17(土)、18(日)、23(金)、24(土)、30(金)、31(土)、2/1(日)
会場:東京日仏学院エスパス・イマージュ
ベルナデット・ラフォン、ステファーヌ・オードラン、イザベル・ユペール、サンドリーヌ・ボネール、マリー・トランティニャン、リュディヴィーヌ・サニエ……。クロード・シャブロルは男性中心で、保守的に膠着した世界に、女優たち、女たちを投じることで、そこに混乱と攪乱をもたらし、彼女たちとともに鮮烈なサスペンスを創り出してきました。ステファン・オードランを主演に迎えた3本の傑作『女鹿』、『不貞の女』、『肉屋』がレストア版でロードショーするのを機に、トークイベント付きで特別先行上映します。その他にも、シャブロルが“女性を核に据えた”名作を厳選した7本を特別上映。極上の「女性形のサスペンス」の世界をじっくりとご堪能ください。
「シャブロルは善と悪というテーマに関心を持ち、人間の運命に悪の根源がどのように現れるかを生涯にわたって考察し続けました。(…)シャブロルはフェミニストであるとともに、それを超えて人間を深く洞察するヒューマニストといえるでしょう」(イザベル・ユペール)
クロード・シャブロル特集
上映作品
気のいい女たち(1960)/女鹿(1968)/不貞の女(1969)/肉屋(1970)/ベティ(1992)/沈黙の女たち/ロウフィールド館の惨劇(1995)/最後の賭け(1997)/甘い罠(2000)/引き裂かれた女(2007)
トークゲスト
五所純子(文筆家)、エレーヌ・フラパ(小説家、映画批評家)、三浦哲哉(映画研究・評論)
主催・会場:東京日仏学院 (TEL:03-5206-2500)
オフィシャルサイト東京日仏学院エスパス・イマージュ
クロード・シャブロル特集
クロード・シャブロル特集クロード・シャブロル特集

THEATERS

公開日 地 域 劇場名
北海道
3月14日 札幌市 シアターキノ
東 北
近日上映 仙台市 フォーラム仙台
関 東
2月13日 千代田区 シネマリス
2月13日 杉並区 Morc阿佐ヶ谷
3月14日 横浜市 シネマリン
3月8日 川崎市 川崎市アートセンター
4月4日 柏市 キネマ旬報シアター
上映終了 小山市 小山シネマロブレ
4月10日 高崎市 シネマテークたかさき
甲信越静
近日公開 長野市 長野ロキシー
近日公開 松本市 松本CINEMAセレクト
中部・北陸
2月28日 名古屋市 ナゴヤキネマ・ノイ
3月7日 金沢市 シネモンド
4月4日 福井市 福井メトロ劇場
関 西
3月28日 大阪市 シネ・ヌーヴォ
3月27日 京都市 出町座
3月28日 神戸市 cinema KOBE
4月10日 宝塚市 シネピピア
中国・四国
近日公開 岡山市 シネマ・クレール丸の内
近日公開 広島市 横川シネマ
近日公開 松山市 シネマルナティック
九州・沖縄
3月20日 福岡市 KBCシネマ
近日公開 熊本市 Denkikan
3月7日 大分市 シネマ5
近日公開 那覇市 桜坂劇場
東京日仏学院エスパス・イマージュにて開催!
【クロード・シャブロル特集2026 女性形のサスペンス】東京日仏学院エスパス・イマージュ
会期:2026年1/16(金)・17(土)・18(日)・23(金)・24(土)・30(金)・31(土)・2/1(日)
会場:東京日仏学院エスパス・イマージュ
主催・会場:東京日仏学院
特別協力:マーメイドフィルム、アニエスベー
※上映日などお問い合わせは東京日仏学院までお願いいたします。
03-5206-2500
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